こんにちは、進路サポートを担当している、中澤みほです。本日は、通信制高校のサポート校である湘南国際アカデミー高等部で先日行われた第4回卒業式の様子をお届けします。
第4回の卒業生は16名でした。 卒業生の数が16名!? と驚く方もいらっしゃるかもしれません。ですが、当校のこれまでの歴史の中で一番多い卒業生の人数なのです。
※通常は、一学年15名定員としておりますが、3年間の中で他の全日制高校や通信制高校、サポート校からの転入生の受け入れが年々増加傾向であるため、卒業時に生徒の人数が増えています。
当校は通信制高校のサポート校で、一人ひとりに寄り添い、少人数制できめ細やかなサポートを心がけています。それは、時には「大丈夫だよ」という安心の言葉をかけることかもしれませんし、「もう少し〇〇をしたら、もっと良くなるかもしれないよ」というアドバイスをすることだったかもしれません。またあるいは、何も言葉をかけずに、そっと見守り、生徒本人がゆっくり考えるのを待つこともサポートの一つでもあります。生徒一人ひとりの個性に応じたサポートをできるよう、キャンパス長を始め、講師やスタッフが日々向き合っています。
そのような日々の積み重ねがあって、3年生の皆さんは晴れて卒業の日を迎えました。一人ひとりに手渡される卒業証書には、本当に色々な思いが詰まっていることでしょう。
さて、今回の卒業式では新たに、キャンパス長より「はなむけの言葉」が卒業生に贈られました。湘南国際アカデミー高等部の中で一番卒業生と触れ合い、同じ時間を過ごしたキャンパス長だからこそ伝えたい思いが溢れる言葉でした。卒業生の皆さんも、キャンパス長からの言葉をしっかりと胸に刻み、これから当校を羽ばたく卒業生として、頼もしい面持ちになっていました。
普段、どのような気持ちでキャンパス長が生徒の皆さんに接しているのか、そしてどんな思いで卒業する皆さんを応援しているのか、ご理解いただけるのではないかと思い、原文を載せさせていただきます。
・~・~・第4期卒業生への「はなむけの言葉」・~・~・
晴れて卒業式を迎えられる16名の皆さん、そしてご家族の皆様、本日はご卒業おめでとうございます。
ここにいる皆さんは、新型コロナウイルス感染症が発生し緊急事態宣言が発令される中、入学を迎えました。
入学式、校外学習などのイベントは中止となり、お昼の時間は黙食、マスク越しでの会話、ソーシャルディスタンスなど、本当に制約されることが多い中でのスタートでした。
登校を自粛している生徒のために、レポートの手引書を自宅に郵送したりと、私たち職員も試行錯誤でのスタートでした。あらゆる面で例年とは違う高校生活を余儀なくされた皆さんですが、そのような日々を乗り切って、ここに無事卒業式を迎えられたことを心より嬉しく思います。また、制約の多い中で高校生活を送ったこの経験が、今後の人生の中で活かされていくものと信じております。
私は、皆さんが入学したと同時に、湘南国際アカデミー高等部のキャンパス長となりました。私も皆さんと同じ、キャンパス長1年生でした。無我夢中で過ごしたあっという間の3年間でしたが、たくさんの思い出が詰まったかけがえのない3年間でした。
ここにいる皆さんの心に寄り添いたい、少しでも近づきたいという思いと現実のギャップに、心が折れることもありました。しかし、それも私を成長させてくれた大切な経験だったと思っております。また、そういったできごとがあったからこそ、今日この日をより感慨深く迎えられるのだと思います。
今日、皆さんに、はなむけの言葉を送るにあたって、何を話そうか、この数週間悩みました。
伝えたいことはいくつもあって一つに絞るのは本当に難しかったのですが、旅立ちを迎える皆さんが今後の人生において、どうあってほしいかを話したいと思います。
私は、この3年間、ありのままの皆さんに寄り添うということに徹底してきました。とにかく学校に足を向けてほしい、学校が少しでも居心地の良い所であるようにとの思いからでした。あえて、無理をさせるようなことは言わないできたように思います。
私は、この3年間そのような形でやってきましたが、今ここにいる皆さんは3年前より心身ともにずっとたくましく成長しています。そして、18歳になり大人になっています。ですので、はなむけの言葉として、皆さんの背中を押すつもりでつぎのことを伝えたいと思います。「強く自分というものを持って人生を切り拓いていって欲しい」ということです。
非常に漠然としたメッセージですので、具体的にお話しさせていただきます。
私の言う「強く自分というものを持つ」ということは「世間の尺度、周りの雑音、こういったものに振り回されずに自分の意思、信念をしっかりと持ち、一つ上の自分自身に向かって努力し続ける」ということです。
こんにち、SNSが普及し、情報化社会の中で、聞きたくないこと、知りたくないことなども否応なく、耳に入ってきてしまいます。SNSでキラキラした生活がアップされた画像を目にすることもあるでしょう。そういった中で自分の価値基準を持ち続け、自分らしくいるということは、非常に難しいことだと思います。だからこそ、今、皆さんに強く伝えたいのは、周りに振り回されずに「私は私、オンリーワンの自分なんだ」と思える「強さ」をもってほしいということです。
皆さんが1年生の時、当校はじめての文化祭が行われましたが、その時のテーマが「千紫万紅」でした。「千の紫、万の紅」と書き、色とりどりの花が咲き乱れている様子を意味しているものです。ひとつひとつの花が生徒一人ひとりで、いろいろな花、すなわち、さまざまな個性の生徒が集まって鮮やかな光景を作っているという、湘南国際アカデミー高等部にふさわしいテーマでした。このテーマのように、皆さん一人ひとりが、今後の人生で、自分らしいオンリーワンの花を咲かせていくことを願っています。
そして、皆さんが、一つ上の理想とする自分を目指して努力し続けるようにと、今日は、少し無理をさせる覚悟で背中を押したいと思います。
次に、この場をお借りして、保護者の皆様にお礼の言葉を述べさせていただきます。
私には3人の子供がおりまして上の子は今年39になります。遠くなった子育ての時期を振り返ると、「なんであの時、こう言ってあげられなかったんだろう。」「こうしてあげていればよかった」と後悔の数々です。この3年間、保護者の皆様と面談させて頂いた中でも、私もこんな風に子供に接してあげていればよかった、と自分の子育てを反省することも多々ありました。私にとって、お子さまと過ごしたこの3年間は子育てのやり直しのような時間でもありました。
ですので、今、お子さまが心身共にたくましく成長しているのを目にして、我が子の成長のように嬉しく思っております。
このような幸せな時間を頂き、私を成長させて頂いたことに心より感謝申し上げます。
終わりに、16名の卒業生の皆さん一人ひとりが、それぞれの世界で、生き生きと自分らしく輝いていかれますことを願って、はなむけの言葉とさせて頂きます。
湘南国際アカデミー高等部
キャンパス長 太田里佳
また、卒業式には来賓として、生活ゼミでギター&ベース講座をご担当いただいている、ピアニストの遠藤征志さんとギターリストの曽根一馬さんにお越しいただき、お祝いの曲を演奏していただきました。
そして、在校生代表からの送辞、卒業生代表の答辞と続きます。在校生からの感謝の気持ちと卒業生から在校生へのエールが交換される時、学校の歴史が紡ぎ出され、気持ちがいっぱいになりました。
第4回の卒業生は、就職をする生徒、大学や専門学校へ進学する生徒、そしてミュージシャンとして自分の道を模索する生徒など、様々な進路を歩みます。どんな道でも、一人ひとりを応援する気持ちは変わりません。またいつでも、高等部に会いにきてくださいね。
卒業、本当におめでとうございます!
湘南国際アカデミー高等部
進路サポート担当
キャリアコンサルタント:中澤みほ
湘南国際アカデミー高等部では進路サポート担当として、生徒や卒業生が希望する道を歩めるよう、気持ちに寄り添うサポートを行っている。